『田所トメ子の事件簿〜おかずと犯人は冷めないうちに』〜 第4話



登場人物

田所トメ子40代前半・主婦探偵)
冷静沈着で観察眼鋭い。フライパン片手に推理し、揚げ物にこだわる。

小暮刑事30代前半・警察官)
真面目で几帳面。現場の手順を重んじ、トメ子の良き相棒。

女将・金子かよ60代・惣菜屋店主)
厳格な職人気質。商店街の揚げ物文化を守る存在。

灰田40代・料理研究家)
理知的で冷静。味とレシピに精通。

久住20代・自称マヨラー)
明るく天然。マヨネーズ愛が強く個性的。

(中学生・自称シェフ)
熱血で純粋。料理に情熱を燃やす。

 

4話「最後の一皿」


オープニング

映像: 前回のダイジェスト(灰田の証言 俊の必死の訴え 台所の不自然な焦げ跡)

ナレーション(重々しく):

「秘伝の黄金衣に魅せられた者たち。弟子の情熱か、それとも裏切りか――真実は一皿の中に」


シーン1:俊の追及

場所: 学校・家庭科室

(トメ子と小暮が俊のノートを手にしている。ページには黄金衣模倣計画と大きく書かれている)

小暮刑事(厳しく):

「これだけの記録……動機は十分だ」

俊(涙声で):

「違う! 僕は盗んでない! ただ……完成させたかっただけなんだ!」

トメ子(ノートを閉じて):

……油の温度、揚げ直しのメモ……。あなたは確かに研究していた。でも、それは犯行の証拠にはならないわ」

(俊、うなだれて泣き崩れる)


シーン2:女将の目覚め

場所: 病院

(女将がゆっくり目を開け、トメ子が駆け寄る)

女将(弱々しく):

……まだ、あの子を……疑っているのかい?」

トメ子:

「女将さん……!」

女将:

「俊はね、私の味を継ごうとしていただけだよ。犯人は……料理人では……ない……」

(女将、再びまぶたを閉じる。沈黙)

小暮刑事(険しい顔で):

……どういう意味だ?」

トメ子(小声で):

「料理人じゃない……。じゃあ、誰が?」


シーン3:商店街のざわめき

場所: 商店街の惣菜店通り

(トメ子が歩きながら周囲を観察。揚げ物屋が立ち並び、どこも油の匂いが漂う)

トメ子(心の声):

「この街は、黄金衣に支えられてきた……。レシピ帳を持つことは、ただの一店ではなく、街全体を左右する……」

(背後から俊が駆け寄ってくる)

俊(必死に):

「信じてください! 僕は、女将さんの味を……守りたいんです!」

(トメ子、立ち止まり俊の目を見つめる。確かな決意を感じる)


シーン4:不自然な証拠

場所: カネコ食堂 台所・夜

(トメ子一人で再調査。懐中電灯で棚を照らす。ふと目に留まる小さなテープ片)

トメ子(つぶやく):

……鑑識用の封鎖テープ?」

(トメ子が拾い上げる。テープは通常、警察しか持ち得ないもの)

(背後から小暮が現れる)

小暮刑事:

「トメ子さん、こんな時間に……?」

トメ子(驚きつつも笑顔を装う):

「ええ、もう一度確認したくて。……あなたこそ?」

小暮刑事(無表情):

「私はただ、現場を見守っているだけです」

(その手に小さな焦げ跡。トメ子、じっと見つめるが何も言わない)


シーン5:エンディング

場所: 夕暮れの川辺

(トメ子が川を見つめながら、揚げ物の香り漂う紙袋を持っている)

トメ子(心の声):

「真実は、まだ油の底に沈んでいる……でも必ず、浮かび上がる」

ナレーション(重々しく):

「次回――明かされる最後の一皿。黄金衣を狙った真の影、その動機は想像を超えて……」

BGM高鳴り、夕日に照らされる小暮刑事の横顔がアップで暗転)


★次回予告★

(俊が涙を浮かべてトメ子に訴える → 女将の笑顔 → 油の跳ねる音と黄金色のカツのアップ → 振り返る小暮刑事の険しい表情)

ナレーション(力強く):
「疑いと欲望が渦巻く商店街。
そして明かされる――真犯人とその動機。
次回、『揚げ物は正義よ』!
黄金の衣を巡る戦い、その結末を見届けよ!」

(映像: フライパンを構えるトメ子のシルエット。タイトルロゴが炸裂する音でカットアウト)


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