『Kallsson 泉 ピン子は見ちゃった! 〜層雲峡・熊の皮をかぶった殺意〜』第5話・最終話

 




第5話「銀河・流星の滝の夜」

夜の帳場は、静まり返っていた。
外では風が唸り、粉雪が窓を細かく叩いている。ランプの灯りが柔らかく揺れ、畳の縁にかすかな影を落とす。

その夜、ピン子は眠れなかった。
——考えがまとまらない。
小暮の死。女将の動揺。板前・木村やあの帳場で見かけた謎の男の不自然な態度。
頭の中で、バラバラなピースがいつまでも噛み合わず、ただ音を立てて転がっていた。

「ちょっと……外、歩いてこようか」
自分に言い訳するように呟いて、ピン子は旅館の厚手の上着を羽織り、廊下を抜けて外へ出た。
玄関の外は一面の雪。吐く息が白く光り、あたり一帯がしんと静まり返っている。
夜の層雲峡は、風の音と、遠くにかすかに聞こえる滝の低い唸りだけが支配していた。

その時だった。
……絹代、話がある」
どこか、旅館の門を出て左に曲がったところ、茂みの裏から声が聞こえた。
ピン子は反射的に足を止め、柱の影に身を寄せる。
聞き覚えのある声——板前の木村だ。

……な、何の話ですか……急に呼び出したりして?」
女将・絹代の声が、押し殺したように震えている。
その瞬間、ピン子の胸がざわめいた。

——この時間に、二人きり? どう考えてもただ事じゃない。

茂みの隙間から、声がはっきりと聞こえてくる。
「金の話だよ。……俺は分かってるんだ、あの夜のことを」
「やめて……! そんなこと言われたら……!」
「だったら、わかるな? 明日の十一、銀河・流星の滝の上だ。話はそれからだ」

銀河・流星の滝——この層雲峡で一番人気の観光名所だ。
夜は立ち入り禁止だが、冬のこの時期は観光客も少なく、誰も見に来ない。

ピン子の胸の奥で、確信が走った。
——やっぱり、木村は小暮の死に関わっている。
——絹代さんが危ない。

足元の雪を踏みしめながら、自室に戻るピン子。
布団に入っても、まぶたの裏に滝の情景が浮かぶ。
吹きつける風、凍てつく水面、そしてふたりきりの対峙——

翌日。
昼間は何事もないように旅館が営業していた。
母のしげ子は朝から「温泉卵は朝一で食べると肌がつるつるになるのよ」とか、「ピン子、あんたもうちょっと髪を巻いたほうが運が上がるわよ」とか、相変わらずどうでもいい話を延々としている。

……母さん、ちょっと散歩してくる」
「また? あんた最近、外ばっかり歩いてるじゃない」
「気分転換よ」

ピン子は笑ってごまかし、厚手のマフラーを巻く。
しげ子は、ピン子の表情の奥に張り詰めたものがあることに気づいていない。

旅館を出ると、空は一面の鉛色。雪は昼間でも絶え間なく舞い、風が肌を刺すように冷たい。
遠く、滝へと続く林道が白い靄に包まれていた。

ピン子は歩き出した。
その背に、母の「お酒とつまみ用意しておくわよ!」という呑気な声が遠ざかる。

——行かなきゃ。
——今夜、真相が明らかになる。

銀河・流星の滝。
吹雪の中に隠れる真実を求めて、ピン子はひとり、滝の上を目指して歩いていった。

二人は、火曜サスペンス風に言えば、まるで計算されたかのように、銀河・流星の滝の上へと歩を進めていた。ピン子は息を殺し、岩の陰に身を隠す。滝の轟音が遠くからでも響き、心臓の鼓動と混ざり合う。

 銀河流星の滝は、夜の闇に飲み込まれていた。
 吹きつける雪と轟音が、まるで大自然そのものが息をしているかのようだった。
 ピン子は岩陰に身を潜め、凍えた指先を胸に押し当てた。
 滝の上、ふたりの人影が対峙している。
 女将・絹代と板前・木村。
 闇の中に浮かぶその姿は、まるで修羅のようだった。





「俺は知っている……小暮のことも……全部」
 木村の声が低く響いた。
……そんな……
 絹代の声はかすれ、恐怖と焦燥が入り混じっていた。

——やっぱり、木村が!
 ピン子の胸が高鳴る。
 小暮さんを殺したのはこの男。
 そして今度は、女将を脅して金を取ろうとしている……

「話は簡単だ。黙っててほしけりゃ、金を出せ。それだけだ俺が警察に話せば旅館も終わりになっちまうよ
 木村が一歩にじり寄る。
 滝の風が彼のコートをはためかせた。
「俺は見たんだよ、あの晩、熊の被り物をつけてな......
「やめて……お願い、もう……!」
「だったら払えよ。三百万。今日中にだ」

 ピン子は息を殺して見つめた。
 足元の氷がきしむ。
 ——お願い、女将さん、逃げて……

 しかしそのときだった。
 絹代が懐に手を入れ、何かを取り出した。
 黒光りする金属。
 拳銃だった。

 ピン子は喉が凍りついた。
 雪明かりが銃身を白く照らす。
……もう、黙って」
 絹代の声が低く響いた。
「これ以上、私を追い詰めないで……

「おい……それ、まさか……本物か?」
 木村の顔が歪む。
「ふざけるなよ、撃てるわけがねぇ……!」
「撃てるわ。だって、私はもう全部失ったもの」

 銃口が木村に向けられる。
 風の唸りとともに、滝の水しぶきが吹き上がった。
 木村が一歩退き、足を滑らせる。
「待て! やめろ! 落ちちまう!」
……落ちるのは、あなたよ」

 ピン子は思わず岩陰から身を乗り出した。
——だめっ! 本当に撃つ気だ!
 叫びそうになるのを、唇を噛んでこらえた。
 その瞬間。

 「ピコーン

 耳慣れた、LINEの間の抜けた着信音闇に響き渡った。
 ピン子のポケットの中でスマホが震える。
 画面には、「田所トメ子:ピンちゃん、おまんじゅう買った?」の文字。

 ——終わった。

 絹代がゆっくりと顔を上げた。
 その目は、氷のように冷たかった。
……誰?」
 声が、雪を裂くように鋭い。
 木村が振り返り、凍りついた表情で叫ぶ。
「まさか……探偵か!?」
「ち、違いますっ……!」
 ピン子は立ち上がり、両手を上げた。
 だがその瞬間、銃口が彼女に向けられる。

「出てきなさい。全部、見たのね」
「や、やめてください……私は……
「黙りなさいっ!」

 絹代の声が鋭く響く。
 木村が恐怖に顔を歪め、ピン子にすがりつくように叫んだ。
「おい、助けろ! この女、狂ってる!」
「私が狂ってる? 違うわ……あんたたちが私を追い詰めたのよ!」

 絹代が一歩踏み出す。
 木村は後ずさりし、足元の雪が崩れる。
 滝の縁まで、あと一歩。
 ピン子も反射的に後退し、背後に冷たい風の吹き上がりを感じた。
 あと少しで、二人とも滝つぼに——

お母さん......お父さん......!

——はい、そこまで!」

 雷鳴のような声が響いた。
 振り向くと、ライトを構えた人影が雪を踏みしめて近づいてくる。
 警官数名、そしてその先頭に、息を切らした母・しげ子がいた。
 「ピン子ォ! あんた、何してんのよこんなとこでぇぇっ!!」
 しげ子の怒鳴り声が、滝の轟音にも負けず響き渡る。

 絹代の手が震えた。
 銃口がぶれる。
 木村が叫び、ピン子が息を飲む。
 その一瞬、誰も動けなかった。

 ——雪と風と水音だけが、凍りついた夜を支配していた。

 

ピン子は震える手で息を整える。
——母さん……どうして……!?

しげ子は鋭い目で絹代を睨む。
「ピン子の行動、ちゃんと感知してたわよ。あなた一人で危険に行かせるわけにはいかないからね」

 滝の轟音が、二人の緊張をさらに煽っていた。
 雪と水しぶきが渦巻き、空気そのものが震えている。
 絹代の唇が、白く凍えながらも震えた。
 目の端に涙が光る。

……もう、隠しておけないわね……
 絹代は拳銃を下ろし、ゆっくりと夜空を仰いだ。
「全部、話すわ……ピン子さん、あなたにも、警察にも……

 滝の音が一瞬遠のいたように感じられた。
 絹代の声が、雪の夜を切り裂く。

「あの人が……言ったの。『俺がユキちゃんの中の人だった』って……
 その瞬間、木村もピン子も、息を止めた。
「違うのよ……違うの……! 本当は、この私だったの!」

 その叫びは滝の轟音に混じり、夜空に吸い込まれていった。

30年前……旅館の宣伝イベントがあったのよ。
 くまのユキちゃんっていうマスコットを作ってね……あれが評判になって、観光協会からも賞もらった。
 でも、あのイベントの……私は熱を出してしまって……代わりに、あの男――小暮がユキちゃんのの人をやったの」

 絹代は拳を握りしめた。
 頬に涙が伝い落ちる。

「それがすべての始まりだったわ。
 彼は言ったの。『俺が本物のユキちゃんだったんだな』って……
 翌朝には、新聞にも写真が載っていた。『笑顔のユキちゃん』――その中にいたのは、あの人だった!」

 ピン子は岩陰で息を呑む。
 ——まさか、そんな理由で……

「私は……ただ、あのユキちゃんを愛していたのよ。
 あれは仕事じゃなかった。生き方だった。
 笑顔を届ける、みんなのでいることが、私の人生だったのよ!」

 絹代の声が震え、涙が滝のしぶきに混ざって飛んだ。

「それなのに、あの人は奪った。
 ユキちゃんの顔も、名前も、記憶も……全部!
 私が熊の中で流した汗も涙も知らずに、あの人は笑ってた……!」

 木村が呆然と呟く。
……女将さん……そんな……まさか、それで……?」

「そうよ!」
 絹代が叫んだ。
「くだらないと思うでしょう? でも、私にとっては違うの!
 ユキちゃん……私そのものだったの!」

 ピン子は滝の轟音に押されながら、唇を噛んだ。
 真剣な表情。
 だが胸の奥では、どうしても笑いがこみ上げるのを抑えきれない。

あの夜、久しぶりにやって来た小暮は私にユキちゃんの話をした
 『あの時は楽しかったな』、『俺の熊姿、まだ忘れられねぇだろ?』って……
 絹代の声が震えた。
……“俺の熊姿ですって……! あの一言で、何かが切れたのよ……!」

 風が、雪を巻き上げた。
 絹代の髪が滝の光を反射して揺れる。

「夜中、私は倉庫に行ったの。
 あの時の衣装――ユキちゃんの着ぐるみを取り出した。
 埃をかぶってボロボロだったけど、毛の匂いを嗅いだ瞬間、涙が出たの。
 帰ってきたって思ったのよ……!」

 ピン子は唇を押さえ、息を詰めた。

「熊の頭をかぶって、鏡を見たわ。
 ……そこには、あの頃の私がいたの。
 そして、気づいたら――あの人の姿を追って露天風呂の方に向かっていたわ



 滝の音がさらに激しさを増す。
 絹代は歯を食いしばり、声を震わせながら言った。

「私はユキちゃんだった。
 本物のユキちゃんだったのよ……
 だから、許せなかった。あの人が笑ってるのが。私の人生を奪って……
 だから、私は熊の姿で、あの人の背後に立ったの……!」

 風の唸りが、まるで断罪の声のように響く。
 雪片が滝の光に舞い上がり、銀の粉となって宙を漂った。

「ピン子さん……あなたには、分からないでしょうね……
 絹代はゆっくりとピン子を見つめた。
 瞳の奥には、狂気にも似た誇りの光が宿っていた。
ユキちゃん……永遠なのよ……

 その瞬間、滝の音がまるで拍手のように響いた。
 ピン子は何も言えなかった。
 ただ、滝の向こうに消えていく雪の白さを見つめていた。

 滝の轟音が、まるで天地の怒りのように響いていた。
 銀河・流星の滝——その名にふさわしいほどの水しぶきが、夜空の星を呑み込み、白い煙のように宙へ舞い上がっている。

 絹代は岩の縁に立っていた。
 髪は風に乱れ、旅館の制服の裾が激しくはためいている。
 手にしていた拳銃は、もはや力なく垂れ下がり、指先がかすかに震えていた。

……終わりね」
 絹代の声が、滝の音に溶けるように漏れた。
 その顔には、涙とも汗ともつかぬ滴が流れている。

 ピン子は一歩、彼女に近づいた。
「女将さん……! まだ遅くないわ! 全部話せば、きっと……

もうすべて話したわ、全部!」
 絹代が振り向く。目に炎のような光。
ユキちゃんは、私そのものだった! ……でも、誰も信じなかった……!」

 風が吠える。
 滝の音がさらに強くなり、まるで彼女の心をあざ笑うようだった。

「私はただ、愛されたかったのよ!
 熊の着ぐるみの中で、みんなを笑わせたあの頃みたいに!
 でも、現実はそんなに優しくなかった……
 女将なんて呼ばれても、誰も私を見てくれない!」

 ピン子の胸が締めつけられる。
 その言葉は、あまりに悲しく、そして滑稽だった。
 真剣すぎて、痛いほどに哀しい。

……もう、いいのよ。ユキちゃんは、もういないの。
 でもね、せめて最後くらいは、舞台の上で終わりたいのよ……
 絹代がゆっくりと拳銃を岩の上に置いた。



 彼女はポケットから、なにかを取り出す。
 古びた、白い熊の頭部——ボロボロにほつれたぬいぐるみの頭だ。
 それを胸に抱きしめ、絹代は微笑んだ。

「ユキちゃん……一緒に行きましょうね……

「やめて! 女将さん、お願い、やめて!!」
 ピン子が必死に手を伸ばす。
 だが、絹代は一歩ずつ、滝の縁に近づいていく。

 風が唸り、雪が舞い、滝の白煙がふたりの間を隔てた。
 絹代の髪が風に翻り、まるで黒い炎のように揺れる。

「ピン子さん……人はね、愛ゆえに過ちを犯すの……
 でも、それを赦せないのは、孤独ゆえよ……

 最後の言葉は、涙混じりの笑顔とともに。
「ユキちゃんは……永遠よ……

 そして、ゆっくりと両手を広げた。
 滝の光がその姿を照らし出す。
 まるで一匹の熊が、星空へ帰っていくかのように。

 その瞬間——
 絹代の体がふわりと宙を舞い、白い滝の煙の中に消えた。

 時間が止まった。
 ピン子はその場に崩れ落ち、ただ滝の下を見つめた。
 滝の轟音だけが、世界のすべてのように響き渡る。

……女将さん……

 静寂。
 滝壺の水面に、かすかに何かが浮かぶ。

 それは——熊の毛のような、一本のタワシの毛だった。
 風に乗り、ゆっくりと空へ舞い上がっていく。


 ピン子の背後から、しげ子の声がした。
「ピン子……あんた見た? やっぱりタワシだったじゃないの!」
 ピン子は振り返らずに、深くため息をつく。

……母さん、もう帰ろう……

 

【エピローグ】

 滝の轟音が遠ざかり、夜明けの薄青い光が峡谷を包みはじめていた。
 ピン子は毛布を肩に掛けられたまま、警察の車の後部座席に座っていた。
 手は冷えきり、頬は風に焼けている。
 隣には、やけに元気な母・しげ子。後部座席に座っているというより、ほとんど身を乗り出すように景色を見ていた。

「いやぁ、ピン子、やっぱり温泉って命がけねぇ〜! まさか滝の上まで行くことになるとはねぇ!」
……母さん、ほんとにそう思ってるの?」
「うん、だって、崖って絵になるじゃないの。ほら、火曜サスペンス的に!」
 ピン子は呆れて前を向いた。運転席の刑事が笑いをこらえているのが見える。

 車はゆっくりと山道を下っていく。
 助手席の若い刑事が、ちらりとピン子の方を振り返った。
……そういえば、帳場で見かけたという男の件ですが」
 ピン子はハッと顔を上げた。
そうだ、三十代くらいで、どこか落ち着かない感じの人。事件と関係があるかもって思ったんですけど……
 刑事は苦笑しながら答えた。

いや~彼ね実は動物が好きなんだそうです。特に熊。で、一度でいいから本物の野生の熊を見たいって、それだけの理由で層雲峡に来たらしいですよ」
「えっ、それだけ……?」
「はい。かなりな人見知りらしくて、その短い説明を聞き出すだけでも、こっちは相当手こずりました」

 ピン子は思わず目を丸くした。
 あれほど不穏な影を感じた男の正体が、それだけの理由。
 雪に包まれた夜の静けさの中で、彼の影を見た自分の勘違いが、いまでは滑稽にすら思えた。

……つまり、事件とは全く関係なかったのね」
「そういうことです」
……なんか、いろいろ空回りしちゃったな」
 ピン子がため息をつくと、母がすかさず肩を叩いた。

「いいじゃないの! 旅ってのはね、空回りするくらいがちょうどいいのよ! ほら、崖も見られたし!」
「母さん……崖、そんなに好きなの?」
「うん! だってほら、クライマックス感あるじゃない」
……感じゃなくて、命の危険だったけどね」

 刑事が思わず吹き出した。
 しげ子は満足げに頷きながら、車窓の外を指差す。
「でも、いいところねぇ。雪もきれいだし、熊も出るし!」
「熊は出なくていいの。もうはこりごり」
「そう? でもさ、熊って縁起がいいのよ。難をくぐるって書くじゃない? くまるって」
……母さん、それ苦まるとかじゃないの?」
「縁起の取り方よ、ピン子!」

 車が旅館の明かりの見える道に入る。夜明けの光が雪の屋根を黄金色に染めていた。
 しげ子は窓の外を眺めながら、にやりと笑った。

「ねぇピン子、次は登別行きましょうか」
……また温泉?」
「そうよ! 登別のクマ牧場! 熊つながりで、縁担ぎよ!」
……母さん、学習って言葉、知ってる?」
「もちろん! 学んで笑うって書くのよ!」
 ピン子は頭を抱え、深いため息をついた。

 車の外では、白い雪が静かに降り続いていた。
 層雲峡の空はもうすぐ朝を迎えようとしている。

 ピン子は窓に映る自分と母の顔を見つめながら、ぽつりとつぶやいた。
……母さん、次は、静かな旅にしようね」
「うん、静かな旅。そうねぇ……じゃあ、登別の熊牧場に決まり!」
……どこが静かなのよ」

 車がカーブを曲がり、遠くで火曜サスペンスのエンディング曲のようなメロディが、風の中からかすかに流れた気がした。
 雪の白さが空へと溶けていく。
 今日もまた、母と娘の事件なき事件簿が、静かに幕を下ろしていくのだった。

 

Kallsson 泉 ピン子は見ちゃった!〜層雲峡・熊の皮をかぶった殺意〜


登場人物紹介

Kallsson・泉 ピン子 スウェーデンからの帰国後、母に連れられて北海道・層雲峡の温泉旅館へ向かう物語の主人公。物静かな性格。

しげ子 ピン子の母。奔放で思い立ったら即行動の派手な女性で、娘を連れ出し「事件」に遭遇することを期待している。

野々村 絹代 層雲峡温泉「熊乃湯」の女将。落ち着いた所作を持つが、その瞳の奥には何か静かな暗い波を秘めている。

木村「熊乃湯」に勤める板前。腕は立つが、気難しいと言われる。

小暮 忠志 旅館に宿泊している登山ガイドの男性。日に焼けた顔に風の跡のような皺を持つ。

高梨 祐介 旅館に宿泊しているフリーのカメラマンの男性。冬の雪景色を撮影するため宿を訪れた。

田所 トメ子 ピン子の隣人であり友人。メッセージアプリを通じてピン子の状況を知る。

山崎巡査部長 事件発生後、旅館に駆けつけた層雲峡駐在所の警官。

仲居(女中・春江など)旅館「熊乃湯」の従業員。宿泊客への案内や給仕を担当する。

帳場で見かけた謎の男性 旅館の帳場付近でたびたび見かけられる30代くらいの物静かな男性。

 

 

 物語予告:

『鎌鼬のいたずら――金田一ポン助霊怪事件帖』

風が血を吸う、隔絶された谷の怪奇。

探偵・金田一ポン助は「鎌鼬のいたずら」に怯える風ノ谷村を訪れる。

そこで目にするのは、外傷なく血だけが奪われる連続怪死事件。村の祠に伝わる人柱の伝承、風車計画を巡る対立、そして科学と信仰の狭間。

ポン助は風の祟りの裏に潜む、人間の狂気と謎を追い詰める。

風の正体は、神か、人か? 答えは、この谷の霧の中に。


2026年度第一弾!1月5日(月)公開予定。

お楽しみに!!





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